1440年〜1496年
室町幕府八代将軍足利義政の正妻 息子義尚を将軍にさせるため、家臣の山名宗全らとツルみ応仁の乱の原因を作った この時代には珍しいタイプの女性 現代にいたらバリバリのキャリアウーマンになっていたであろうタイプ |
日野富子にインタビュー |
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ハガクレ |
今回のゲストは、現代では悪女だなんだ色々といわれている日野富子さんです |
富 子 |
こんにちは |
ハガクレ |
いやー、ガーガー言われていますが、私個人的には時代を先取りしたすごい女性だと思いますよ |
富 子 |
まぁ。ありがとう。ワタクシもね、夫があれほどバカでなければね、表舞台に出るようなことはありませんでしたのよ |
ハガクレ |
そうですよねー。ちょっとあの義政さんじゃね・・・ |
富 子 |
ワタクシ、嫁いだ時から最悪でしたのよ?夫にはお今という肉感的な年上の女性がおりましたし、正妻のワタクシがいるというのにバカみたいに「お今〜お今ぁ〜」とかけずりまわっていましたし。うんざりでしたわ。本当に |
ハガクレ |
そうでしょうねぇ。じゃあ当面は誰が将軍の後継ぎを産むかってことで女のバトルがあったんですね? |
富 子 |
そうでございます。ワタクシを含め側室達の中から誰が最初に男児を産むか・・・。これにかかっておりました。生まれた男児は次期将軍ですからね。あんな夫でも将軍ですからねぇ |
ハガクレ |
で?誰が産んだんですか? |
富 子 |
それがね、ワタクシがとうとう懐妊しましたの。そして初の男児を出産したのでございます |
ハガクレ |
やったじゃないですか! |
富 子 |
えぇ。本当に嬉しくてね。これで「正妻」としての立場がやっと確保できると思ってね。本当に嬉しかったのでございますが、なんとその息子がすぐ死んでしまったのです |
ハガクレ |
えぇ! |
富 子 |
本当に辛かったですわ。でもワタクシ、ただでは起きませんのよ。わが息子の死をお今の呪詛ということにしてやりましたの |
ハガクレ |
そうなんですか?ホントに呪詛してたんですか? |
富 子 |
さぁ。でも現にお今は祈祷師だなんだと怪しい僧らを呼び、なにやらやっておりましたからね。で、お今は島流しということになったのです。だけどね・・・ |
ハガクレ |
だけど? |
富 子 |
夫はお今に未練タラタラで、とりあえず島流ししましたが、頃合を見てこっそり連れ戻そうとしていたのです。ワタクシは先手を打って殺し屋を送り込みましたの |
ハガクレ |
ええっ!殺しちゃったんですか? |
富 子 |
当たり前です。ワタクシは正妻ですわよ?それを側室のお今が身分もわきまえず「正妻」のように家の中でえばりくさっていたのですよ?また出てこられたらたまったもんじゃありませんわ |
ハガクレ |
はぁ。で、お今さんがいなくなってやっと平和が訪れたんですか? |
富 子 |
それが聞いてくださる?ワタクシまだ20代後半で出産のチャンスはいくらでもあるというのに、あのバカ(義政)ったら、「仕事したくない!遊びたい!」とか言い出して、ワタクシに何も言わず、勝手に弟の義視に将軍職を譲るという約束をしてしてしまったのです。 |
ハガクレ |
そうなんですかー |
富 子 |
そしたらなんと、ワタクシが懐妊いたしたのです。そして男児が生まれたのです。が、可愛いワタクシの息子・義尚はせっかく将軍の長男として生まれたというのに、すでに将軍職は弟のものなのですよ?あぁ、なんたること!あのバカ(義政)が考えなしにやったことによってワタクシの息子は・・・ |
ハガクレ |
で、富子さんは、なんとしても可愛い息子を将軍いしたいと思ってしまったわけですね? |
富 子 |
当たり前です。将軍になるべきなのは我が息子・義尚のみです。ワタクシはなんとしても義政の弟・義視を排除したかったのでございます |
ハガクレ |
なるほど |
富 子 |
で、家臣の中でも2人、強いものがおりました。それが山名宗全と細川勝元でございます。この両家の仲はいつ爆発してもおかしくないくらいくすぶっておりました。すると義視が将軍になりたいがために細川勝元を味方につけたのでございます。 |
ハガクレ |
フムフム |
富 子 |
そうなるとワタクシは山名宗全を頼りました。こうしてたまりにたまっていたものが一気に爆発したのでございます |
ハガクレ |
あの有名な応仁の乱に発展していくんですね! |
富 子 |
その通りでございます。幕府(夫)がだらしないがために、家臣を巻き込み都は大混乱に陥りました。さらには地方の田舎者達がこぞって台等しはじめたのでございます。 |
ハガクレ |
戦国大名のハシリが誕生したわけですね |
富 子 |
ワタクシはなんとしても自分の息子を将軍にしたかった。が、幕府の台所事情は大変なことになっておりました。それもあのバカ(義政)がやりたい放題していたからなのです。そこでワタクシが、幼い息子が安定した室町幕府の政(まつりごと)を行えるよう、幕府を立て直そうと思ったのでございます |
ハガクレ |
確かに義政さんじゃ、富子さんがそうせざるを得ませんね |
富 子 |
あのバカにはほとほと呆れました。都は戦乱で明け暮れているというのに、毎晩毎晩若い女と男をはべらせて宴会三昧。さらには高価な絵を買い漁ったり、別荘を建てたり。 そのくせ「オレ様は将軍」というのが抜け切れていないのです。そのため余計なところでしゃしゃり出ては引っ掻き回す始末。とうとう堪忍袋の緒が切れて、家から追い出してやりましたわ!スッキリしましたわよ!ホホホホ |
ハガクレ |
義政さんのことは好きではなかったんですか? |
富 子 |
もう好きとか嫌いとかのレベルじゃございませんわよ。あのバカがお金を使いまくったために幕府は激貧でした。尻拭いするのはワタクシしかおりませんでしょう?もう大変でしたわ!米相場に手を出したり、武将相手に高利貸しをしたり、関所で税金を取ったり。 |
ハガクレ |
はぁ |
富 子 |
ちょうどこの頃、飢饉が起きたのですが、それでもワタクシはひたすら財テク!財テク!でしたわ。そのため「金の亡者」と言われるようになりました。ですけどね、ワタクシがやらなければ一体誰がやるのです?実際義政の鎧を質入しなければならないほど幕府は貧乏だったのですよ? |
ハガクレ |
・・・・・・。力説ですね・・・・ |
富 子 |
ワタクシはね、悔しいのです!ワタクシがいなければ幕府はもっとひどいコトになっていたのですよ?それを「死の商人」だの「女のクセに生意気」だの「尻ひき女房」だの・・・勝手なことばかり!おまけに最愛の息子・義尚までもがその噂を信じ、ワタクシのことを煙たく思い始めたのですよ?さらには義政と義尚で1人の女の取り合いまで始めるわ・・・。まったくなんたること |
ハガクレ |
なんだか富子さんは、一生懸命やったのにヒガミや妬みなんかで大変だったんですね |
富 子 |
そういうことです。ワタクシが男であったなら、このように言われることはありませんでしたわ!幕府を立て直した立派な男として名を残したことでしょう。ワタクシ、生まれる時代を間違えたようですわ |
ハガクレ |
でも今でもたいして変わらないですけどね。その辺は |
富 子 |
そういえばこないだヘンテコな箱の中で「田中マキ??マキコ・・・?」とかいう女性を拝見しました。うだつのあがらないヤツラの中で、ただ1人声を張り上げておりました。なんだかワタクシ、自分のことを見ているようでしたわ。ホホホ |
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